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宮台氏の講演:原発からの離脱ーこれからのエネルギーとこれからの政治を語ろうー

12月17日(土)、かながわ市民派議員会議で、宮台真司氏(首都大学東京教授)を講師に迎え、の研修会を開催。講演会の内容をお伝えします。

宮台氏は、飯田哲也氏と『原発からの離脱 自然エネルギーと共同自治体に向けて』(講談社現代新書)を出版。お二人は世田谷区基本構想審議会のメンバーでもあります。

講演会終了後の懇親会でのお話も含めて、世田谷区のエネルギーシフトの取り組みで、興味深いお話を聞くことができました。
世田谷区では、今年4月に区長選挙が行われ、保坂展人氏が区長に。宮台氏は立候補当時の推薦人であり、今も強力なブレーンであるようです。
世田谷区では、自然エネルギーへの転換をはかるために、「世田谷電力構想」を具体的に進める準備をしています。

「世田谷電力構想」の始まりは、保坂氏の当選後の集会。
宮台氏が、「エネルギー政策の転換は共同体自治の問題であって、電源の種類の問題で
はない」「消費者が電力会社や発電所、発電方式を選択できるようにすることが必要で、世田谷で電力会社を立ち上げるようなことがあっていい」と発言。
保坂区長も「世田谷電力ができると面白い」として応じたことに始まります。

脱原発への取り組みでは、橋本市長の大阪市とともに、世田谷区の取り組みも要チェッ
クですね!

講演の内容をメモ風に記します。
ご参照いただければ幸いです。


かながわ市民派議員会議研修会      at 藤沢産業センター       2011.12.17

「原発社会からの離脱 これからのエネルギーとこれからの政治を語ろう」
講師:宮台真司氏(首都大学東京教授)

日本では、2004年、六ヶ所村の再処理工場をめぐる核燃料サイクルの議論で、経済合理
性では決着がついていた(合理的ではない)のに、止められなかった。
あらがえない空気があった。

原発リスクは、規定できない。
なぜなら予測不能、計測不能、収拾不能だから。

10万年に1度といわれていた事故が、10年に1度になってしまった。
よくわからないものを政府や議会に決めさせてはいけない、自分で引き受けて考えるしかない。

民主主義 「みんなで決めたことは間違いない」はウソ
     「みんなで決めたことはたいてい間違っている」が基本

変わるべきものは、「参加」と「自治」
民主制の本質は多数決ではない。「理性的な討議」と「少数者の尊重」

なすべきことは、「悪い心の習慣」を改めること。

空気に支配されてはいけない。
まかせて文句を言うのはやめよう。

「まかせてブーたれる作法」から「引き受けて考える作法」へ
「空気にしばられる作法」から「合理性を尊重する作法」へ

べき論では変わらない。
前者を淘汰するシステムづくりが重要。
「褒美(補助金など)をもらって行う」から「良いことをすれば儲かる」しくみへ

小さな政府にすると同時に社会を大きくする必要がある。市場をうまく使うべき。
ヨーロッパは、農業以外、補助金をやめて、良いことをすれば儲かるルール(フィード・イン・タリフ:固定格買取制度 など)をつくった。

農業政策も、工業などと比べ、生産性の低い部分を税金で補助して(所得支持)、下駄をはいた状態で競争(よりよいものをより安く)できるようにした。日本の補助金行政は価格支持で、生産性を落としていく。

鉄鋼も自動車もいずれは後進国に追いつかれる。
国外移転(工場、資本など)か、国外からの労働者受け入れ、国内の労働賃金の引き下げか。いずれにしても、グローバル化した経済社会では、経済成長すると労働者賃金が
下がる。

国家のはたらきは変化している。
グローバル化以降、政府は頼れなくなった。
われわれは、どういう状況になっても、死なないようにする、幸せに生きられるようにすること。

市場依存は危ない。国は財政破綻。
今後目指すべきは「共同体の自治化」。
共同体の競争。
共同体思いのエリートをどれだけ育てられるか。
切磋琢磨。ゼロサムではない、プラスサム。
失敗しても他の共同体から学べる。

スローフードは、食の共同自治。顔の見える範囲で、人間関係により生まれる。
雇用、文化、お祭り、町並みも同じ。

エネルギーも共同体自治化の問題!

残余リスク、未規定なもの(わけのわからないもの)は、自治体や議会に任せられない。自分たちで引き受けて決めるしかない。

かつて日本がGDPで2位だったときも、幸福度では95位だった。(現在75位)
なぜ低いのか。それは自分で選んでいないから。
自分で選ぶ(自分たちで引き受けて決める)のは、面倒くさいけど、おもしろい。

スマートメーターの設置も、供給バランスを見てコントロールすること。

日本の地方議会は、有力者の手打ち式の場所。
ヨーロッパでは、住民投票、国民投票を行う。
繰り返しワークショップを行うことで、レベルを上げている。

以上。

これからのエネルギーのあり方もこれからの政治も、私たち自身がお任せではなく、自分の(自分たちの共同体の)問題として、引き受けて考え、判断していかなければ。(2011/12/25)

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