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日本のアセスの限界~リニアアセスに環境相が意見書~

5日、環境相が、リニアのアセスへの意見書を国交省に提出した。意見書の内容は、各自治体からの厳しい意見を反映し、「事業の大きさから相当な環境負荷が生じる」としてかなり厳しい指摘が並んでいる。

しかし。
計画そのものの変更や長期間の追加調査などを求めるものではなく、できるかぎりの影響回避と関係自治体との協議を要請するにとどまっていて、秋にも着工を目指すJR東海のスケジュールには、影響を与えないだろうというのが、多くのマスコミの見方である。

住民や自治体から意見を聞いただけ。
厳しい意見さえ言えば、環境相もお役目御免。
あとは、JR東海のできる範囲で対策をすればGOサインが出てしまう。
残念ながら、これが、現在の日本の環境アセス(事業の実施を前提にした事業アセスメント:EIA)の限界。
...
1990年ごろから世界的な動きが始まった戦略的環境アセスメント(SEA:Strategic Environmental Assessment)は、事業になるよりもっと早い段階、政策や計画段階でアセスメントを行うもので、事業者(民間も国や自治体も)は、環境影響をどのように配慮したかを社会に対して説明する責任を果たすことになる。
 SEAでは、複数の代替案を比較検討するが、事業を行わない代替案「ノーアクション」も選択肢として入れる。世間に対し、社会・経済面の影響と環境面の影響を比較した情報を公開した上で、どの案を選択したのかを公表することになる。
 つまり、計画や政策段階から、情報公開と意思決定過程の透明性が担保されるのである。

紆余曲折があって(産業界などの強い反発もあって)、SEAが進まない日本。
そんな中でも、事業者自らが率先して環境の持続性について説明責任を果たし、社会・経済活動を行っていくとするならば、その事業者をこそ、わたしたちは誇りに思い、世界はその事業者を高く評価し、ともに経済活動を行うパートナーとして選択するであろうに。

時代と環境の変化、世界の流れに追いついていない日本のアセス。
影響を受ける住民の暮らしや自然環境の破壊を懸念する自治体の意見に真摯に向き合おうとしないJR東海。
そのJR東海に日本の経済発展を期待する国会議員。

破たんをきたすのは明らか。
経済も持続可能な環境なくして成り立ちはしないのに。(2014/6/6)

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