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2期目最後の登壇

3月議会が終了しました。
2期目最後の登壇は、27年度予算に反対の討論でした。

反対の理由は3つ。
①実施計画に予定されていた小中学校の改修工事3校が、すべて見送られたこと。...
②人口減少や財政の推計、市全体のまちづくりビジョンなく、ハコモノ、道路鉄道の交通網、拠点開発の検討がどんどん進められていること。
③城山の葉山島の不法残土場で、水路工事をするため、市が2億8200万円も負担すること。国と県としっかり協議し、市民に説明がつく税金の使い方をすべき。

公共施設のマネジメントは、専門の組織をつくって進める予定が、今年も来年も見送られ、広域交流拠点の整備計画には、6人の職員が増員、JR横浜線の立体交差化の調査費4600万円などが盛り込まれています。
あれもこれもの浮かれ状態。
多くの議員もあれやれ、これやれの要望ばかり。

都市部だけの繁栄はありえない。
津久井地域の人々がどんどん減れば、
都市にもイノシシや熊、ヤマビルが出るようになるぞ!

子どもの最善の利益を考えること。
都市と中山間地域が共存共栄するまちづくりこそが、相模原市の果たすべき役割。
そう、訴えました!

以下、反対討論の全文です。

 

平成27年度 3月議会 予算反対討論

颯爽の会の野元好美です。わが会派は、人への投資を重視し、ことに次代を担う子どもたちが心豊かに育つ環境づくりを大切にしてきました。同時に、次世代にツケを回さない市政運営を求めてきました。また、相模原市のまちづくりについては、財政状況や人口減少、少子化や急激な高齢化をふまえ、持続可能な都市とは何か、慎重に検討した上で、その方向性を決めるべきという点で、考え方は一致しています。しかしながら、27年度予算の賛否については、現時点で警鐘を鳴らす意味でも反対すべきという考え方と慎重な対応を求めながら、方向性を見守りたいとする考え方があり、議論を重ねた結果、それぞれの判断を尊重し合うこととしました。したがって、賛否の対応が分かれることを申し述べた上で、議案第1号 平成27年度相模原市一般会計予算に反対の立場で討論を行います。

反対する主な理由は3つです。1つは、子どもたちの教育環境の充実のための予算が見送られたこと、2つ目は、市全体のまちづくりビジョンやインフラストックの最適化の議論がないまま、ハコモノ建設、道路・交通網の整備、拠点開発などの事業の検討が進められていること、3つ目は、政令市として国や県としっかりと協議し、市民に対し説明がつく税金の使い方をすべきという点です。

 

 

それぞれ具体例を挙げて意見を述べます。27年度予算案では、実施計画にあった小中学校の改修事業が見送られています。1校あたり約4億円の改修事業は、前期実施計画では6校ずつ24校が計画通り終了、26年度から28年度の中期実施計画では3校ずつが予定されていました。国の補助対象が耐震工事に限定されたとはいえ、折しも子どもの権利条例がスタートする年度に、3校すべてが見送られ、他の事業が優先されたことは看過できません。他の学校改修計画全体が遅れる由々しき事態です。

 

 

また、図書館3館と公民館図書室を合わせた資料購入費を調査したところ、平成19年度に12270万円だった予算は、政令市移行の22年度には、前年度の半分にカットされ、それ以降はその半額カットがベースとなっており、27年度は5740万円にとどまっていることがわかりました。

私事で恐縮ですが、私の学びを支えたのは、図書館であると言っても過言ではありません。昭和一桁生まれの父は、岐阜県の貧しい山村で末っ子として生まれ、中学を出てすぐに丁稚奉公に出ました。まもなくお店が倒産。身一つで社員寮のある工場に就職しました。真面目で実直、努力家で、いくつもの免許を取得し、会社には重宝がられましたが、学歴がないため昇進とは縁がなく、苦い思いをしたようです。そのため、私たち子どもには、十分勉強させてやりたいと頑丈な学習机と児童文学全集を買い与えてくれました。父からは、勉強に必要なものは言いなさいと言われていましたが、子どもながらにそんな余裕はないことはわかっていました。小中高、そして大学と、読書も調べ学習も受験勉強も、研究も私の学びを支えてくれたのは図書館でした。

時代は変わり、モノがあふれる現代です。しかし、だからこそ、格差社会の広がりによる子どもの貧困は、子どもの心に影を落とす深刻な問題です。どんな家庭や境遇に生まれても、子どもたちは等しく夢と希望を持って生きる社会であってほしい。負の連鎖を断ち切るために、公教育の場における家庭の負担を極力排し、誰でもいつからでも学べる環境を提供することは、行政の大事な役割ではないでしょうか。

 

負の連鎖は、不信社会を生み、社会不安を増長し、扶助費の増加や犯罪への対応にかかる予算が増えることにつながります。また、人口減少時代を乗り切るには、柔軟な思考力としなやかに創意工夫をして生き抜く力を持つ人材の育成が求められます。少子化への歯止めとしても大変有効な教育費負担の軽減と、図書館、公民館の意義の見直しと予算配分への配慮を求めます。

反対の理由の2つめは、あれもこれもと膨らむばかりのまちづくり関連予算についてです。JR横浜線の連続立体交差化事業の調査費4600万円は、その象徴的なものです。便利になり、新しいハコモノが建設され、賑わいのあるまちができて、発展していくことを望まない市民はいないと思います。しかしながら、それは安定した行政サービスが保障された上でのことではないでしょうか。

50年、100年後のまちづくりと市長は、おっしゃいます。しかしながら、情報・通信、エネルギー、医療・ロボット分野などの技術革新は目覚ましく、人々の暮らしはスピード感をもって大きく変化しています。また、グローバル化した現代においては、市民生活に影響を与える要因は国内にとどまらず、諸外国の政治・経済状況などにも起因し、加えて気候変動が引き起こす自然災害など、わたしたちの想像を超えた事態も起こりえます。インフラ整備が完了した時には、交通の流れも、企業や市民のニーズも変化し、多額の市債だけが残された、そんな事態は何としても避けなければなりません。今、私たちができることは、市や国の財政状況や人口推計などを冷静に分析し、市民のみなさんと暮らしの満足度を高めながら、行財政運営をスリム化し、将来の行政需要に柔軟に対応できる環境を整えることではないでしょうか。

 

 

その意味で、公共施設マネジメントは、大変重要な取り組みだと考えます。ところが、今年度できるはずだった専管組織も、モデル地区の取り組みも見送られました。27年度も専管組織はつくられず、一方で、広域交流拠点推進体制を強化し、6名増員するようです。2625日に開催された第6回相模原市公共施設マネジメント検討委員会では、委員長から「今後のまちづくりの戦略上重要な施設の整備を除く」の例外規定は、マネジメントの方針とかかわりなく作りたいものは作れるとも読める玉虫色の表現であり、報告書の趣旨と異なり、今後大きな影響を及ぼすと思う。「重要」の定義を客観的なルールに基づき定めなければ、次々に建設して財源がなくなり、結果的に真に重要なものすら整備できなくなってしまう、どのような施設を指すのか明確にしておくべき。土木インフラとハコモノを合わせた時の整合性が問われる。横断的な管理について考えることが必要。との重要な指摘がありました。専管組織が今年度にまとめるはずだった事前協議制度も未だ発足しないまま、新たなハコモノ、道路、交通網、まちづくりなど、あれもこれもの検討が進められています。総花的な個々の検討ではなく、時間軸と人口推計や財政推計などが合わせて検討されてしかるべきです。また、急激な高齢化社会への対応など、注力すべき課題への戦力がそがれ、市民生活に影響が出ることを大変懸念しています。

 

 

集約型都市機能の再編は、周辺部地域の環境整備と合わせて考えていく必要があります。津久井地域では、すでに山の荒廃や鳥獣害の被害、山ビルの被害が大きな問題となっていますが、過疎化、高齢化で里山における人の営みがさらに失われれば、都市部の人々の生活環境を脅かす問題へと発展し、その対策に多くの財源をつぎこむことになりかねません。2060年には、本市の人口は542000人、高齢化率42.3%、生産年齢人口は4割減り、全国の人口も8673万人で68%に減少すると推計されています。多くの外国人移住者を迎えて共生社会をつくるのなら別ですが、日本政府の方針が変わらない限り、都市間競争の勝者はいません。減少する人の奪い合いに終始するだけです。

 

 

今の日本は、嵐が迫っていることにも気づかず、日本丸という泥舟の上で、借金という穴をあけた責任を国と地方で押し付け合い、できるだけ沈まない位置を奪おうと地方自治体同士で争っている、そんな状況ではないでしょうか。

 

 

企業のグローバル化や世界情勢への対応を怠り、財政の状況や将来ビジョンを示しながら、国民に理解を求めることもせず、公共事業による経済対策と金融緩和でその場をしのぐツケが、多額の借金と少子化、人口減少時代という危機的な状況を引き起こしています。

 

都市部のみの繁栄はありえません。いかに自然と調和した社会を築いていくか。いかに都市部と地方との共存共栄を図っていくか。どうすれば若者の働く意欲を喚起し、労働への正当な対価を保障し、暮らしと仕事、経済のバランスのとれた社会にするか、安心して家庭を持ち、子を産み、育てられる社会をどのように構築していくのか。

 

都市部と中山間地域を併せ持つ、相模原市だからこそ、日本が直面する難題に正面から向き合い、暮らし満足度の日本一の相模原市をめざして市民とともに知恵を出し合いながら取り組むことで、日本のあるべき未来をリードする、それこそが本市が果たすべき役割ではないでしょうか。

 

 

反対の3点目。葉山島の件です。水路工事の必要性を議論するつもりはありません。しかしながら、なぜ28200万円もの負担を市がしなければならないのか、市民に説明することができません。不法な残土搬入を止めるのは、財産管理者の県と所有者である国に大きな責任があったと考えます。平成994日に、県の副知事を会長とする建設発生土総合対策会議において、水路の機能回復は責任をもって完全に行うという意思決定がなされています。また、平成181122日には、関東整備局から県に対して、水路機能回復については、法定外国有財産の侵害例は、全国に多数あり、下倉川にのみ費用負担することは公平性に欠けるという理由で回答があったようです。平成21210日、市は議会への説明もなく、県と基本協定を締結し、費用負担割合を県と市で31と決めました。そして、城山町は拒否してきた国有水路の譲与を平成22331日に国から受けています。市は、議会に対する説明を行う機会があったはずです。そうすれば、市として国に対して粘り強く費用負担を働きかけるように要望したでしょうし、議会としても県会議員、国会議員のみなさんとともに、国に要請に行くこともできたのではないでしょうか。いずれにしても、説明不足と言わざるを得ません。猛省を促したいと思います。

 

 

27年度予算は、骨格予算と言いながら、新規事業までも計上した予算となっています。市税収入は、26年度と比べ11億円の減。法人市民税は約9億円の減収で、国税化に伴う約25000万円分を考慮しても、市内企業の経営は回復していません。相模原商工会議所の調査によれば、昨年10月から12月期の業況判断指数は、全産業総合で3期連続右肩下がり。個人市民税も3億円の減収。市民の懐も温まってはいません。市税の減収と扶助費の伸びという厳しい財政運営が続く中、より効果的な事業展開と事業の優先順位が問われています。

 

さがみ縦貫道路の整備もひと段落し、児童相談所の買い取りなど政令市移行に伴う大きな歳出もひと段落。国直轄負担金もピークの平成24年度の102億円  から27年度では14億円と減少しています。本来ならば、市債を減らし、今後の行政需要に備え、財源を蓄える時期であるのに、市債残高は増え、財政調整基金は減る予算編成になっています。

 

 

平成18年度決算と平成27年度末を比較すると、財政調整基金は、128億円から74億円と54億円のマイナス。74億円のうち、職員の退職金の積み立て分を除くと、50億円の貯金しかありません。基金残高の総額は、財政規模が大きくなったにも関わらず、212億円が210億円と横ばいのまま。市債残高は1894億円から2601億円と707億円も増えています。ローンの返済である公債費も、196億円から241億円と45億円も増えています。財政状況は悪化し、硬直化も進んでいます。財政推計の中で、投資可能額、次世代が負担可能な公債費を見極めないと将来世代に大きなかせをはめることになりかねません。交通網の整備や相模総合補給廠の一部返還などの好機を本市のまちづくりにどのように生かしていくのか、相模原市は今、重要な分岐点に立っています。持続可能な都市経営とは何か。市民に情報を提供しながら、市民とともに考えていくことが大切です。慎重な検討を求めます。

 

 

個々の施策について、評価する点と要望を述べます。

 

環境経済関連では、住宅用スマートエネルギー設備導入のために、奨励金を拡大されたことについては、再生可能エネルギー利用拡大が期待されることから、評価いたします。しかし、次世代クリーンエネルギー自動車として、水素を利用した燃料電池自動車を導入することに関しては、今後、インフラ整備に多額な費用がかかること、費用対効果を含めて、社会的実証が不十分なことを踏まえ、慎重になるべきと考えます。先行導入している都市の事態を十分に検証し、本当に有効かどうかの見極めをしてからでも遅くないと思いますので、再度検討されるよう求めます。

 

 

相模原市総合就職支援センターを運営し、ワンストップできめ細かな就労支援を実施されていることについては評価します。今後は、若年無業者やフリーターの就労支援をさらに積極的に行い、社会的、経済的に自立を図るように最大限のサポートを求めます。また、引き続き、市内では障害者雇用率が低い状況にあります。企業を個別に訪問し、障害者雇用に対する理解を促し、確実に就労につながる地道な対策が必要です。共生社会の実現に向けた努力をお願いいたします。

 

 

学校教育では、支援教育支援員の勤務日数を拡充し、また、児童支援専任教諭の配置を10校から23校に拡充、スクールソーシャルワーカーを3名から5名に増員するなど、手厚く人材を配置することで、教育環境の充実に努めている点は高く評価いたします。

 

 

民生関連では、子どもの権利条例が4月に施行されることを心から歓迎します。全職員がこの条例を尊重し、職務にあたることを要望いたします。そして、その進行管理を適切に行うことを求めます。また、子どもを権利の主体として尊重し、子ども会議など、子どもたちの市政参加や意見表明の場を積極的につくり、次世代の意見を市政全般に反映させていくことを求めます。救済制度については、子どもに寄り添った制度として機能するよう、子どもへの周知や相談場所、秘密の厳守など、細心の注意を払っていただきたいと思います。

 

相模原市が、子どもの最善の利益を考えながら発展することを願って、平成27年度一般会計予算に反対の討論といたします。

 

 

 

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