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平成27年度決算に反対討論

9月議会の最終日(9月30日)に、颯爽の会を代表して、平成27年度一般会計歳入歳出決算認定することに、反対の立場で討論を行いました。以下、その討論の原文に、見出しをつけて掲載いたします。
関心のあるところだけでも、お読みいただければ幸いです。(2016/10/05)

(*録画放映  9月30日 野元は、40分45秒~58分05秒)
  http://www.gikaitv.net/dvl-sagamihara/2.html

◇颯爽の会で賛否が分かれる理由

 颯爽の会の野元好美です。
 27年度決算については、公共施設の使用料の値上げや市営斎場の有料化、麻溝台・新磯野土地区画整理事業の民間事業者包括委託制度や相次いだ不祥事を問題として捉えながらも、再発防止に努め、懸命に働く職員の努力に免じて認定に賛成したいという意見と職員の努力は認めながらも、市民への説明責任を果たす姿勢や組織のあり方など根本的な原因の解決を促す意味でも、反対すべきという意見があり、議論を重ねた結果、それぞれの判断を尊重することにしました。したがって、賛否の対応が分かれることを表明した上で、議案第110号 平成27年度相模原市一般会計歳入歳出決算について、反対の立場で討論を行います。

◇小中学校の改修が見送られた予算

 27年度は、中期実施計画にあった小中学校の校舎の改修をすべて見送る一方で、橋本駅、相模原駅周辺拠点整備事業には、予算と職員を優先的に配分し、美術館2館構想や国際会議場、JR横浜線の立体交差化等の調査や検討を推進しました。学校は、子どもたちの学習・生活の場であり、地域住民の避難場所でもあります。安全性の確保は何よりも優先されるべきです。27年度末で30年を経過している257棟のうち173棟の改修は完了しましたが、67%の進捗率に留まっています。後期実施計画には、改修事業をしっかりと位置づけ、着実に推進するよう、求めます。

◇不祥事その1 選挙管理委員会

 昨年度は、不祥事が相次ぎました。
 選挙事務では、南区の市議選において、選挙結果を不服とする異議申し立てをきっかけに、選挙管理委員会職員による白票数の操作が発覚。有効票の判断が市選管と区選管で異なるという、市民の信頼を大きく損なう事態となりました。最高裁まで争われた結果、当落が逆転。その影響は、庁内にとどまらず、県の選管など、多方面に迷惑をかけることにもなりました。このようなことを再び繰り返すことがないよう、1票の重みを再認識するとともに、市民の信頼に足る選挙管理委員会となるよう、適切な選挙事務の執行を求めます。

◇不祥事その2 下水道料金の徴収漏れ問題

 下水道使用料や負担金の徴収漏れ問題では、内部監察で、平成19年度から21年度にも約3100件の徴収漏れを把握していた事実が明らかになりましたが、当時、その事実を公表せず、再発防止策も検討されなかった理由は判明しませんでした。颯爽の会から第三者による外部監査を求めましたが、応じていただけず、真相は闇の中です。原因を究明し、その反省をこれからの市政運営に活かそうとする姿勢が示されなかったことは、極めて残念です。21年度は、政令市移行の準備中。市長は、市民サービスは落とさない、市民の負担は増やさないと明言され、財源不足を人件費の抑制で乗り切ろうと、県からの移譲事務に150人の職員が必要としながらも、職員定数を75人削減、22年度はさらに50人減らしました。職員は多忙を極め、現場では再発防止策の検討や継続して調査する必要性を感じながらも、その余裕はなく、人員も確保できなかったと思われます。結果として、その後も徴収漏れが続き、市の損失は合わせて9億円にも上りました。
 ムダを省き、効率的な事務運営に努めるべきですが、予算と職員の度を過ぎる削減は、職員のモチベーションと正常な判断力を奪うことになり、ミスや市の損失につながります。現場にムリを強いながら、結果を求めることは、職員のメンタル疾患も引き起こします。適正な配分に努められるよう、求めます。

◇不祥事その3 児童相談所

 児童相談所においては、一時保護所で児童を裸にした所持品検査や保護を求めていた中学生が自ら命を絶つ等、マスコミで大きく報道される不祥事が発生しました。政令市に移行する前から、必要十分な職員配置を求めてきました。決算の審議で、1人あたり30~50件が理想とされる児童福祉士の担当件数は、4月1日現在、25年は75件、26年は85件、27年は82件、28年は90件だったことが明らかになりました。職員数の推移を調べたところ、児童虐待数が年々増加しているにも関わらず、26年度から3年連続で1人ずつ減らされています。児相で不祥事が起きた背景には、1つ1つのケースに丁寧に関わる時間と心の余裕がなかったことがあるのではないでしょうか。コンプライアンスを推進し、職員の資質や力量を高めることは重要ですが、思考停止や重大な判断ミスに陥らないような環境を整えるべきです。市長には十分な配慮と対応を求めます。
 生きていることが辛い、苦しい、そう感じている人たちに対して、生きていることの価値を見出してもらえるような関わり方ができる、そんな職員であっていただきたいし、そのような人材の育成に努めていただきたいと切に願います。

◇津久井やまゆりの事件から

 津久井やまゆり園の事件については、現在、国や県においてさまざまな角度から検証が行われています。その結果を待つまでもなく、本人や家族を孤立させないようなサポートが、本市ではできているか、改めて考えてみるべきではないでしょうか。昨年度3月2日の措置入院の解除の前に、退院後の生活について本人や家族と話し合いの場を持っていたら、事態は違っていたかもしれません。法や条例の遵守だけでなく、市民の生活に寄り添い、課題を見つけ、縦割り行政をつないだり、制度を活用したりして、市がセーフティネットとしての役割を果たせるよう、自らの頭で考え、同僚などに相談し、解決の道をさがす努力を惜しまないでいただきたいと思います。

◇不祥事があってもボーナス&給料は引き上げ

 他にも、教員採用試験日の通知誤り、歴史的公文書の誤廃棄、公的年金の支払報告書の処理漏れ、公金の着服など、ミスや不祥事が多く発生しました。9月議会では、市長は下水道の徴収漏れ問題の管理監督責任から、給料の3割を1か月減給される議案を提出されましたが、年度末には、一般職員だけでなく特別職についても、4月に遡ってボーナスと給与を引き上げる議案を提出されました。不祥事が続いた1年間を総括し、襟を正す姿勢を市民に示すべきであったと思います。

◇27年度の決算 目的基金を積む余裕はなし

 決算では、市税収入が1120億円となり、前年度より1.7億円増え、消費税増収分として約53億円が市に交付されましたが、歳出では扶助費の伸びがそれを上回り、約61億円の増加で744億円となったため、歳出の29.5%に達するまでになりました。高齢者の増加などにより、今後も扶助費は伸び続け、ますます財政は厳しくなっていきます。
 昨年度は、圏央道などの大規模事業が一段落し、市が推進する拠点整備事業や公共施設の改修に備え、しっかりと基金を積むべき年度と指摘していました。しかしながら、年度末の基金残高は、約247億8千万円。前年度より25億円増えているものの、そのうちの16億円は減債基金で借金返済のため、残りの9億円は財政調整基金であり、都市交通施設整備基金など目的基金を増やす余裕はありませんでした。

◇後期実施計画を策定するにあたっての留意点

 来年度から始まる後期実施計画では、中長期的な人口推計や財政推計に照らし、市民生活に必要な事業を最優先にして財源を確保した上で、投資可能な額を見極め、事業の優先順位を明確に示していただくことと、人口減少が進む現実を踏まえ、将来世代に十分配慮して市債発行の抑制目標を定めることを要望しておきます。

◇情報公開と意思決定の過程の透明化を

 経常収支比率は98%と極めて硬直しています。現在実施している事業の中には、求められるままに拡充してきたサービスや費用対効果が曖昧なものがまだ存在します。事業を精査し、より効果的で質の高いサービスにしていくよう、求めます。
 また、これからサービスを拡充したり、新たなハコモノを建設する場合は、今あるサービスやハコモノを縮小したり、廃止したりするなど、財源を生み出す努力が求められます。そして、それは、市民の痛みを伴います。予算を分配する時代は終わりました。負担や痛みをどう分かち合うか、自治体がセーフティネットとしての役割を果たしていくためには、何を保障し、何を優先していくのか、世代間や地域間で対立や分断が生じないよう、十分な説明責任が求められます。それは取りも直さず、市政の情報を公開し、意思決定の過程を透明化することにほかなりません。市民協働の推進にも、情報の共有化と役割分担や責任の所在の明確化が求められます。市民に開かれた市政運営を行っていただくよう、強く要望いたします。

◇公共施設の値上げと公民館の有料化について
 
 公共施設の利用料の値上げと市営斎場の火葬料の有料化については、公共施設のマネジメントの議論も進んでおらず、市が新たに建設しようとしている「まちづくり戦略上重要な施設」の定義や整備にあたってのルールも示さないまま、決めたことは、納得できません。また、減免などの政策的な判断もあってしかるべきでした。
公民館については、経済格差の広がり、年金生活者や低所得者の増加、健康維持や孤立化の防止など、社会状況や市民生活を守る上で必要な住民活動を踏まえて、だれもが集い、学べる場所として、保証すべきです。地域課題、生活課題の解決を図り、まちづくりや市民協働を進める上でも、公民館を地域の拠点とし、積極的に活用が図れるよう、職員体制の充実を求めます。

◇子どもに関わる人材の確保を

 格差社会の広がりによる子どもの貧困は、深刻な問題です。負の連鎖を断ち切るためにも、少子化への歯止めとしても大変有効な教育費負担の軽減を求めます。学校教育では、支援教育支援員、児童支援専任教諭の拡充、スクールソーシャルワーカーの増員など、手厚く人材を配置することで、教育環境の充実に努めている点は高く評価いたします。生計を立てるのに精一杯だったり、課題を抱えている保護者が増えています。妊娠期から子育て世代を支えるネウボラの仕組みを早期に実現させるとともに、保育士、児童クラブ指導員、こどもセンターの職員等、子どもに関わる方々に、子どもの自己肯定感を育み、健やかな成長と豊かな学びを支えていただけるよう、安定した労働環境と研修の場を保障していただきたいと要望します。

◇麻溝台・新磯野土地区画整理事業について
 
 麻溝台・新磯野土地区画整理事業では、7年間で80億円相当の事業をゼネコン1社に委託。事業全体の資金計画などが示されず、事業費の積算もずさんでした。今後も事業の進捗状況を注視していきます。
 代表質問の答弁では、第1整備地区の面整備に合わせて、平成30年から県道村富相武台線の、この区間全長約700メートル程度が27メートル幅に拡幅され、区域内では、都市計画道路町田新磯線が20メートル幅に、都市計画道路麻溝台新磯野中通り線が17メートルに、それぞれ拡幅される予定とのことでした。事業の進捗とともに区域内への車両が集中して増えることになり、その対応が求められると想定されます。
 その結果、村富相武台線全体が今以上に渋滞することになり、当該路線と隣接する道路ネットワークに、大きな影響を及ぼし、通過車両が生活道路・通学路などに侵入することで危険になるのではないか、という懸念があります。区域内工業地域への物流関係業者の進出も想定され、早い段階から、区域内外の道路状況を俯瞰して対応することを強く求めます。
また、区域内にある若草小学校への安全な通学路を確保し、学校とも協力して、子どもたちや保護者にも丁寧に対応するよう要請しておきます。
 もう一点、元々調整区域で畑地がほとんどだったこの地域で、今も農業を続けている人たちが、整備後も継続して耕作できるように、面積要件の部分的緩和も視野に、生産緑地の確保を担保していただくことを要請しておきます。

◇生活道路の安全の確保を

 土木インフラは、スクラップできません。生活道路の維持補修費や一円費が不足しており、穴が開いたり、草が生い茂って見通しが悪くなったりしても、迅速な対応ができておらず、危険を知らせる市民の声が増えています。現場の職員も予算がないために、事業者に仕事を出せず、自ら穴埋めや草刈りを行っていますが、限界があり、手が回らない状態です。生活道路は、せめて安全が担保されるよう、必要な予算を配分していただきたいと強く要請します。
 また、藤野地区八幡橋の橋脚部分の崩落による通行止めについては、山の法面の狭隘で危険な迂回路しかなく、対向車がくれば、どちらかが曲がりくねった山道をバックするしかない状態で、夜間はさらに危険です。お年寄りの多い中山間地域であり、移動手段は車が頼りです。今年度、橋の設計を行い、工事は来年度と聞いていますが、ゼロ市債を活用するなど工夫をして一日も早く橋を完成させ、生活道路として安全に通行できるよう、最大限の努力をお願いします。

◇若者世代の意見の反映を

 最後に、橋本駅、相模原駅周辺のまちづくりは、本市の将来を占う大変重要な事業であると認識しています。国内外から注目され、魅力的で明確なコンセプトを掲げ、民間の投資を呼び込みながら、人が集い、人が育ち、新たな魅力が生まれ、発展し続ける、そんな拠点になることを期待します。そして、そのためには、将来に責任の持てる若者世代の意見を反映すべきです。ご検討いただくことを強く求め、27年度決算に対する反対討論といたします。

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