長女が高校を卒業した。平成元年生まれである。彼女が藤中の時、1学年は4クラスで、同級生は140人ほどいた。それが現在の藤中は、3学年とも3クラスで、1学年100人ほどに減少している。
さらに出生数の減少は進んでいる。私の会報NO.27に掲載したとおり、平成17年度の藤野町での出生数は、たった37人。今日、今年度(平成18年度)の状況を調べてみると、2月末現在で39人であった。3月にあと何人かが生まれるとしても、昨年度と大きくは変わらないだろう。
地域を歩いていると、お年寄りの世帯が多い。お一人の方も多く、先行きの不安や、足がなくて、買い物や病院へ思うように行けない、何か趣味を楽しもうと思っても、その場所に行けなくて家に閉じこもっている…、などの声を聞く。
子供を産み、育てる世代の減少は、地域の暮らしの担い手を失うことである。出生数の激減は警笛を鳴らしている。交通手段の確保と共に、若者にとって魅力ある地域づくりが急務だと、切実に思う。
最近、『田舎暮らしに憧れて』(パッチワーク通信社発行、税込1300円)という、素敵な本が出版された(インターネットで購入可。http://www.viq.com)。あまりの美しさ、あたたかい雰囲気、そしてすべての内容が藤野で作られたことに感動した。
この本、藤野町で自然を楽しみながら、豊かに楽しく暮らす一家の歳時記である。写真がふんだんに盛り込まれていて、味噌や梅干しづくり、草木染めや天然酵母パンなどに挑戦したい人の、わかりやすい手引き書でもある。この本を読んで、藤野に多くの方が足を運んでくれたらと期待する。
この一家に限らず、藤野を選んで越してきた若い世代が増えている。彼らが魅力と感じる点を全国(いや全世界)に発信して、藤野の人口増につなげていきたい。(2007/03/03)